なぜHibitoは「営業 x コーチング」にこだわるのか
営業支援とコーチングを掛け合わせるHibitoの思想。営業パーソンの可能性を引き出す組織コーチングへの想いを語ります。
渡邊悠介
営業の現場で見た、ある光景
私がHibitoを創業する前、営業支援の現場で多くの営業組織を見てきた。その中で、忘れられない光景がある。
ある会社の営業チームのマネージャーが、月末の数字が足りない焦りから、部下を一人ずつ呼び出しては「あと何件取れるんだ」「このままじゃまずいのは分かっているよな」と詰めていた。その部下たちの表情は暗く、目に力がなかった。一方で、そのマネージャー自身も追い詰められた表情をしていた。
数字に追われて疲弊するマネージャー。成長実感が持てず、将来が見えない若手。「営業なんて誰でもできる」と軽く見られることへの悔しさ。
これらは特殊な事例ではない。営業組織に深く関われば関わるほど、どこにでもある普遍的な風景だった。
そして私は思った。この構造をそのままにして、営業戦略やツールだけを提供しても、本質は何も変わらない。変えるべきは「人と人との関わり方」そのものではないか。
Hibitoのミッションと組織コーチングの接点
Hibitoは「世の中の営業の心に火をつけ、価値を最大化する」をミッションに掲げている。
「心に火をつける」という言葉に込めた想いは、外から火をつけるのではなく、本人の中にある火種を見つけ、それが燃え上がる環境を整えるということだ。人は本来、誰かの役に立ちたいし、成長したいし、仲間と一緒に何かを成し遂げたい。営業パーソンも例外ではない。
しかし現実には、ノルマに追われる日々の中でその火種は見えなくなってしまう。「売れたか、売れなかったか」だけが問われる環境で、「なぜこの仕事をしているのか」という問いに向き合う余裕がなくなる。
組織コーチングは、この火種を再び見えるようにする手法だ。マネージャーがコーチング的な関わりを身につけることで、営業パーソン一人ひとりの中にある「働く意味」「成長したい気持ち」「チームに貢献したい想い」が引き出される。それが個人のパフォーマンスを高め、チーム全体のパフォーマンスを高め、結果として組織の成果につながっていく。
Hibitoが営業支援とコーチングを掛け合わせるのは、この信念に基づいている。
なぜ「研修」ではなく「コーチング」なのか
営業組織の課題に対して、まず検討されるのは研修だろう。営業スキル研修、マネジメント研修、コミュニケーション研修。確かに研修は知識やスキルのインプットとして有効だ。
しかし、研修には構造的な限界がある。
研修は一過性だ。 1日や2日の研修で学んだことが、日常の業務に定着する確率は驚くほど低い。「研修の翌週はみんなやる気に満ちているが、1ヶ月後には元に戻っている」。研修担当者からよく聞く言葉だ。
研修は「教える側」と「教わる側」の構造を作る。 講師が正解を持ち、受講者はそれを学ぶ。この構造は、参加者の自律性を高めるのではなく、「正解をもらう」という受動的な姿勢を強化してしまうリスクがある。
研修は「全員に同じこと」を提供する。 しかし、組織の課題は一様ではない。あるチームでは心理的安全性の構築が急務で、別のチームではマネージャーのフィードバックスキルが課題かもしれない。画一的なプログラムでは、各チームの固有の文脈に対応できない。
コーチングは、これらの限界を超える。
コーチングは継続的だ。 週次の1on1、月次のチームセッション、四半期のキャリア面談。日常の中に組み込まれた継続的なプロセスだからこそ、行動の変化が定着する。
コーチングは「引き出す」構造だ。 正解を教えるのではなく、問いかけによって本人の中にある答えを引き出す。この構造が自律性を育て、「自分で考えて動ける」営業パーソンを育てる。
コーチングは「今ここ」の文脈に対応する。 チームの現状に合わせてテーマやアプローチを柔軟に変えられる。生きた課題に対して、リアルタイムで働きかけることができる。
もちろん、研修とコーチングは二者択一ではない。知識のインプットには研修が適している場面もある。ただ、営業組織の「行動変容」と「文化変革」を目指すなら、コーチングのアプローチが不可欠だと私は考えている。
Hibitoの組織コーチングの特徴
Hibitoの組織コーチングには、3つの特徴がある。
1. 営業組織の現場を知っている
Hibitoは営業支援事業から始まった会社だ。営業企画、営業推進、SFA導入、KPI設計——営業組織の現場を知り尽くしたうえでコーチングを提供する。抽象的な「傾聴しましょう」「質問しましょう」ではなく、「この商談フェーズでどう問いかけるか」「この数字の背景にある行動をどう振り返るか」という、営業の文脈に即した具体的なアプローチを提供する。
コーチングの知識だけあっても、営業の現場感がなければ的確な支援はできない。逆に、営業の知識だけあっても、コーチングのスキルがなければ人の変容は起こせない。この両方を持っていることが、Hibitoの最大の強みだ。
2. マネージャーを「コーチにする」
外部コーチが定期的に訪問するだけでは、組織は変わらない。本当に変化を起こすのは、毎日メンバーと接するマネージャーだ。
Hibitoの組織コーチングは、マネージャー自身がコーチング的な関わりを身につけ、日常のマネジメントに活かせるようにすることを重視する。外部からの支援に依存するのではなく、組織の中に「コーチング的な関わり」が自律的に回り続ける仕組みを作ることが目標だ。
3. AIの力を活用する
Hibitoは、営業企画にAIの力を掛け合わせる「SalesFDE」事業を展開している。組織コーチングにおいても、データ分析やパターン抽出にAIを活用し、より精度の高い組織診断と効果測定を実現する。
例えば、1on1の実施データやエンゲージメントサーベイの結果をAIで分析することで、「このチームは心理的安全性に課題がある」「このマネージャーは傾聴のスキルが伸びている」といった洞察をデータに基づいて提供できる。勘と経験だけに頼らない、科学的なコーチング支援を目指している。
全員が自分自身の未来を描ける社会へ
Hibitoのビジョンは「全ての人に価値があり、全員が自分自身の未来を自分の手で描いていける社会の実現」だ。
営業パーソンは、日本の労働人口の中で最も大きなセグメントの1つだ。その営業パーソンたちが、数字に追われて疲弊するのではなく、自分の仕事に誇りを持ち、成長を実感し、チームの仲間と支え合いながら働ける。そんな営業組織が増えれば、日本の働き方そのものが変わると信じている。
大きなビジョンに聞こえるかもしれない。でも、変化はいつも小さなところから始まる。1人のマネージャーが、明日の1on1で「で、数字はどうなの?」の代わりに「最近、どう?」と聞くことから。
Hibitoは、その小さな変化の積み重ねを支援し続ける。営業組織に関わるすべての人の心に火をつけるために。
Hibitoの組織コーチングサービスに関するお問い合わせは、お問い合わせページからお気軽にご連絡ください。
よくある質問
- Hibitoの組織コーチングは一般的なコーチングサービスと何が違いますか?
- 営業企画・営業推進・SFA導入・KPI設計など営業組織の現場を知り尽くしたうえでコーチングを提供する点が最大の違いです。抽象的な手法ではなく、商談フェーズや営業数字の背景に即した具体的なアプローチを行います。
- なぜ営業研修ではなくコーチングを選ぶべきなのですか?
- 研修は一過性で画一的であり、1ヶ月後には効果が薄れがちです。コーチングは週次の1on1や月次のチームセッションなど日常に組み込まれた継続的なプロセスのため、行動変容が定着しやすく、各チーム固有の課題にも対応できます。
- Hibitoはなぜ「営業xコーチング」にこだわるのですか?
- 営業パーソンが数字に追われて疲弊する構造を変えるには、戦略やツールではなく「人と人との関わり方」を変える必要があるという信念に基づいています。コーチングで営業パーソンの内にある火種を見つけ、それが燃え上がる環境を整えることを目指しています。